POPといえば目立ってなんぼ。お客様の足を止めるインパクトこそがもっとも重要ですが、今日は一捻りして購買意欲を高める切り口をご紹介します。
キーワードはお客様の「ちょっと困ったを解決する!」です。
スーパーやドラッグストア、ホームセンターといった食料品、日用品はもちろん、アパレルショップや飲食店でも使えます。
例えばスーパーで食材を買い物する時、お客様は
「今日の夕飯は何にしようかなぁ」
「これはどうやって調理すれば美味しいのかな」
「野菜嫌いの子どもが食べてくれる方法はないかな」
などと、あれこれ悩んでいます。
ピーマン担当のアドバイザー、ニンジン担当のアドバイザー、トマト担当のアドバイザーがいて、メニューの提案から調理法の伝授、子ども対策、夫対策、お年寄り対策…とそれぞれの悩みを解決してくれる人がいれば良いですが、現実的には無理ですよね。
こういった困り事をPOPに解決させてしまおうという手法です。
なお、インパクト重視のPOPよりは文字量が多くなりますが、役に立つ情報は歓迎されますので気にしないで大丈夫です。
それではスタートします。
献立を提案
毎日の献立に悩む主婦が多い事は、レシピサイト「クックパッド」が流行っている事からもわかりますよね。定番食材であれば、ちょっと変わった美味しいアレンジの仕方など、食べ慣れない食材であればオーソドックスな料理法を完成写真と共にPOPにすれば、目が留まります。
A4サイズで調理手順を書いたマニュアルをチラシのようにお持ち帰りできるようにしておけば、食材と共に手に取ってもらえて購入に至りやすいです。
一般的に知られていない食材や新商品の場合には、同時に試食も出来れば最高ですね。ちなみにこれは、コストコでやっています。体験する事は非常に購入意欲を掻き立てるので、ぜひ取り入れてみましょう。
また最近では、「時短レシピ」「手抜きレシピ」といったラクさせてくれる方法も喜ばれます。
超簡単・楽チンで美味しくて、子どもも大喜びで食べてくれて、しかも手抜きが旦那さんにバレない料理術!は大歓迎されます。帰宅後10分で一品完成!とか、冷蔵庫のあまり物で豪華一品追加できる!とかあれば誰でも興味が湧きます。
なお、料理の手順は箇条書きで分かりやすく書きましょう。クックパッドがとても参考になります。
また、『使い方』は献立に限らず、なんにでも応用可能です。ファッションだったら着回し術とかまで提案してくれるとありがたいです。
ちょっとしたアレンジ術とか便利な使い方まで提案してみましょう。
抱き合わせる
抱き合わせ販売は、客単価も上がりオススメです。ギョウザと一緒にビール、お刺身と一緒に日本酒、チーズや生ハムと一緒にワイン、スイーツと一緒にコーヒーや紅茶…
これおいしそう!という組み合わせがありますよね。「ついで買い」とも言われますが、これがあると+αになるという提案はどんどんすべきです。
食品に限らず、ファッションもそうですね。ファッションは、誰もがカッコよく・かわいく・キレイに・センス良く見られたいという願望がありますが、意外と似合うものを選ぶのは難しいです。
後になって「何でコレ買っちゃったんだろう…」という失敗は誰でも経験していますので、トータルコーディネートの提案をすると受け入れられやすいです。
靴であれば、防水スプレーやクリームなどのお手入れセットを提案したり。
スポーツなどはセット販売の塊ですね。サッカー用具一式、野球用具一式、登山用具一式、マラソンなら靴からウェアまで。
キャンプやバーベキューも一式セットが売りやすいです。最低限必要なセット、豪華セットと分けたり、1人用、2人用、4~5人用と人数でも分けられますし、値段やブランドで松竹梅にしてみたりといろいろできると思います。
他にも健康系であれば「花粉症対策セット」とか「受験生用風邪防止セット」「肩・首・背中のこり撃退セット」とか、薬剤師が顔と名前を出して提案してくれたら、信頼もあって買いやすいですね。
その道のプロ(あなたやスタッフ)から提案は、お客様からすれば「プロのアドバイスで組み合わせたなら失敗はない」と安心できます。
スタッフにも喜ばれます
これらの抱き合わせセットをPOPで提案する事は、実はスタッフにも喜ばれます。どういうことかというと、この抱き合わせをレジで会計時にやっているお店がけっこうあります。
「ご一緒にこちらはいかがですか?」と必ず声掛けしましょう!と上司から命令され、実践している店員さんを見かけた事ありますよね。もしかしたらあなた自身もスタッフにさせているかもしれません。
私自身、とある写真屋に勤めていた時にさせられてました。でこれ、スタッフの側からすると案外、苦痛なんですよ。理由は断られるから。
毎回レジの度にお客さんから「要りません」「前も聞いたよ、しつこいな」「売込みは完全にスルー」っていう顔をされ、“否定”されるんです。
スタッフによっては、「店長や社長が見てなければいいや」とお客様が答える前に「いりませんよね」と終わりにして、レジ作業を進めようとする人もいます。
別についで買いを促す事は悪い事ではないのに、“否定され続ける”というのは、それほど苦痛な作業なんですね。最悪の場合、スタッフのやる気が下がって、しまいには離職されてしまうような状況にも繋がります。
なので、そんな思いをさせるぐらいなら、POPに仕事をさせましょう。
それとスタッフのストレスは、お店全体に負のオーラとして充満します。そういうお店は空気が淀んで、売れ行きも悪いです。
それらを避けるためにも、スタッフに気持ち良く働いてもらう為にも、POPにフル稼働してもらえるように一工夫しましょう!
まとめ
調理法や献立、それ以外にも使い方やマニュアルがあることで、ちょっとした日常の悩みが解消されるのはとても助かります。
同様に、専門家やプロからのアドバイスは、受け入れられやすいですよね。
それらを用意するのは一手間掛かりますが、作ってしまえばオートマチックで売れていきますし、スタッフがストレスを抱える事もかなり軽減されます。
得られる効果はかなり大きいですので、ぜひ取り組んでみて下さい。
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